校長 ごあいさつ

工学院大学附属中高は「予測不能な未来に挑戦する教育を!!」

 急速に進むグローバル化の中で、わが国は今、全てにおいて崖ぷちに立たされている。100年に亘って近代教育に支えられてきた社会は質的に変わる。大抵のことは過去の経験や知識を当てはめれば解決できた20世紀と異なり、今後の21世紀社会はそう単純には行かない。欧米では1990年代後半から教育改革の意気込みには凄まじいものがあった。今になって思えば、特に英米は世界の政治・経済の覇権を維持する為に、いかに教育が重要であるかを認識していたことを窺い知ることが出来る。

 そうした中、工学院大学附属中高は2013年に21世紀型教育目指して教育改革に着手した。それは教師による講義型(一方通行型)授業を廃し、相互通行型の「PIL×PBL型授業」の開発・実践を「カリキュラム・イノベーションチーム」(通称Iチーム)を中心に行った。そこではブルームのタキソノミーを研究し、その成果として2015年の年明けには、アクティブ・ラーニングに欠かす事のできない工学院独自の「思考コード」の完成をみた。

 この2年間は21世紀型教育の学内浸透と同時に、2015年4月に中学校でスタート予定の多文化・多言語を意識したハイブリッドクラスの教育内容の策定と広報活動が重要であった。あれから3年、2017年はハイブリッドクラスが3学年で揃うことになる。

 こうした背景には、2011年9月に「21世紀の新しい教育を創る」ことに挑戦すると共に、中学受験の「新しい市場の創出」を意識して発足した「21世紀型教育を創る会」(通称「21会」)の存在を語らない訳にはいかない。「21会」は従来型の教育(20世紀型教育)の功罪と未来に向けて「世界標準の教育」についての研究の場であった。そして2013年5月31日には、第1回のカンファレンスを開催し「21世紀型教育を創る会」を世に問う第一歩を踏み出した。この5年間で「21会」の取り組みは徐々に私立学校や教育関係者の中に浸透し、遂に2015年の秋ごろからはメディアが率先して“PIL(Peer Instruction Lecture)” 「21世紀型教育」「思考コード」等々の21会用語を普通に使うようになった。喜ばしいと同時に、ある種の危険を察知し「21世紀型教育を創る会」を改組して「21世紀型教育機構」とした。機構ではディプロマ・カリキュラム・アドミッションの3つのポリシーを重要視し、基準を認定するアクレディテーション機構とした。この事によって、21世紀型教育の品質保証が可能になったのである。

 然るに工学院大学附属中高は、世界標準の全人教育の新しいモデルを世界に問うことになる。私たちは未来を創るしなやかな精神を持った、真の地球市民を育成する世界標準の教育活動及びプログラムを世界に発信する。今や日本の私立学校は歴史的転換期に直面しているという自覚を持って、更に先進性・独自性を前面に打ち出した教育に挑戦する。